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会 長 就 任 の ご 挨 拶

豊橋技術科学大学名誉教授
福本 昌宏

 この度,加藤数良会長からのバトンを受け,2022,2023年度本会会長に就任致しました福本昌宏です.基より浅学菲才ではございますが,皆様方のお力添えを頂きながら,責任感を持ち精一杯務めて参りますので,何卒宜しくお願い申し上げます.
 さて私こと,博士学位論文の副査を務めて頂いた慶應義塾大学名誉教授,本会名誉会長蓮井 淳先生のご紹介により1984年に豊橋技術科学大学助手に着任,カナダへの在外研究,講師,助教授を経,2002年の教授昇任とともに接合加工研究室を担当して参りました.この間36年にわたり一貫して粒子積層膜創製:溶射技術の学理解明と社会実装に関する研究に従事し,結果的に蓮井先生の御研究の一翼を担わせて頂くこととなりました.また教授昇任と同時にもう一つの柱として,地球環境負荷低減に資する輸送機器軽量化のための異材接合の研究に着手,当時脚光を浴びていたFSW技術を採り上げ,国内に先駆けて摩擦攪拌援用異材接合の学理解明と社会実装に関する研究に携わって参りました.幸いこの取り組みが縁となり,名城大学名誉教授,本会名誉会員小林明発先生の御紹介で2010年本会に入会させて頂く事となりました.
 本会は1964年に摩擦圧接技術の利用促進を目的に発足した摩擦圧接研究懇談会を遠源とし,社会環境の変化に応じ幾度かの会の名称変更を経た後,2012年に摩擦接合技術協会として一般社団法人化し,今日に至っています.端的に本会は「材料間の相対運動による摩擦発熱を援用した材料加工」を基盤技術とする国内唯一の由緒正しき学術団体であり,この独自技術の代表である摩擦圧接,摩擦攪拌接合等を駆使しながら,材料間界面の固相接合や固体表面への改質層形成の学理解明,固有技術のデータベース化及び社会実装化に向け,独自の活動を展開して参りました.
 この様な本会の独自性に鑑み私は,この度の会長就任を機に本会基盤技術のさらなる高度化また会勢拡充に向け,以下の様な新規事業委員会の体制構築をここに提案致します.各委員会は主査および主査指名の2〜3名の理事で構成し,地区担当副会長以外の理事各位にも何らかの役割を担当頂く,総力での取り組みを目指します.
1.新技術開拓委員会:独自摩擦接合技術高度化のために,国内外の最新の摩擦接合技術情報を収集し,年3回開催する研究会活動への反映を通し会員各位に配信,還元<シーズの拡充>
2.技術応用先探索委員会:独自摩擦接合技術の実用先・社会実装化先探索のために,ニーズを有する国内関連学協会や各種機関との合同講演会の開催,機関連携を推進<シーズ・ニーズのマッチング>
3.規格委員会:保有資産としての摩擦接合技術独自データベースの拡充,JIS, ISO情報のキャッチアップ<シーズスタンダード化>
4.編集出版広報委員会:協会誌の発刊,書籍の出版,独自技術の対外アピール,協会HPの管理など<ブランディング>
5.記念事業準備委員会:60周年記念事業に向けた準備
 上記提案を叩き台に自由闊達な意見交換を始めさせて頂きます.半年ほどかけて頂いたご意見を集約し,より洗練された新規事業委員会体制の基に本会の一歩前進に繋げて参る所存です.皆様からの建設的なご意見,ご提案をお待ち申し上げます.

 

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